夕方、一本の電話が入りました。訪問介護士の方からで、息子様が自宅マンションで旅立たれたとのことでした。担当のHがすぐに向かうと、看護師の方がお一人で故人様の処置をされている最中でした。
お母様は、この日が来ることを覚悟されていたようでした。それでも「まず何から手を付けてよいか分からない」とおっしゃっていました。Hはまず、その場で自分にできることを探しました。
看護師の方が着替えを手伝われている場面で、Hはお母様に「着させてあげたいお気に入りの服はありますか?」と声をかけました。お母様は迷わず、紺色のスーツジャケットを選ばれました。
クローゼットには八本ほどのネクタイが並んでいました。お母様は「ネクタイも結んであげたい」とおっしゃいました。ただ、その場にいた女性お二人は結び方がわからないとのこと。Hが「どれがよろしいですか?」と伺うと、「あなたはどれが良いと思いますか?」と逆に聞かれました。
「紺のスーツなら、私ならこの一本です」。Hがブルーグレーのネクタイを選んで差し出すと、お二人とも「こういうのはプロに任せた方がきれいに整う」とおっしゃってくださいました。Hがネクタイを締め、着替えが整ったとき、お母様は少し落ち着いた表情になられていました。
マンションの玄関には、スニーカーやシューズがたくさん並んでいました。Hの目に留まったのは、一足の赤いシューズでした。
着替えのあと、看護師の方との会話の中でお母様がふと言われました。「サッカーのワールドカップの日本の試合を楽しみにしてたのに」。旅立たれたその日が、決勝トーナメント初戦の日でした。近年はご病気のため激しい運動は難しい状況でしたが、サッカーへの思いは変わらなかったようです。
Hは玄関の赤いシューズのことを思い出し、お別れのお品としてお棺に入れることをご提案しました。お母様はすぐに「赤いシューズを入れてあげたい」とおっしゃいました。
東広島市西条町の中心地、JR西条駅から北へ約三百メートルに位置するあい直葬ホール。前日、故人様をマンションからあい直葬ホールへ搬送し、当社スタッフがご納棺を行いました。
当日のご来館は昼過ぎ。昼食を召し上がってからお越しいただけるよう、火葬の申請時刻を午後二時に設定しました。火葬場での待ち時間はおよそ八十分ほどになります。ご高齢のお母様が長く感じられないよう、Hは火葬場の控室にお菓子とお飲み物をご用意しました。
当日、ご出発前にご親族の方々が三名合流され、四人での最後のお別れとなりました。ご依頼いただいたスタンド生花三基はすべて切り花にして献花をご案内し、赤いシューズもお棺の中へ。お母様はそっと、穏やかな表情でお別れをされていました。
Hが振り返ります。「マンション自宅療養に入られた時点で、延命処置を希望されないと覚悟されていたご様子でした。お看取りの直後は戸惑っておられましたが、根底には『ほっとされている』という印象が深く残っています」。
当初はお母様お一人での火葬式のご予定でした。Hが最も大切にしたのは、精神的にも肉体的にも、お母様の負担をできる限り軽くすること。右も左も分からないとおっしゃっていたお母様が、最後に四人で息子様を見送ることができました。
赤いシューズは、ちゃんと間に合いました。
あい直葬ホールは、宗教的な儀式を行わない火葬式にも対応しています。シンプルであっても、故人様らしいお別れは必ずできます。東広島市西条でお見送りのご相談は、アイフィットさいき葬祭にお気軽にお声がけください。
よくあるご質問
Q.アイフィットに火葬式を頼むと、当日どのようなことをしてもらえますか?
搬送・ご納棺・火葬の手続きまで当社が対応します。今回はあい直葬ホールにて、スタンド生花を切り花にして献花をご案内し、火葬場の控室にお菓子とお飲み物もご用意しました。ご家族の負担が少ないよう、細かな段取りも担当がまとめて動きます。
Q.故人の好きだったものをお棺に入れることはできますか?
はい、可能です。今回は故人様が大切にされていた赤いシューズをお別れのお品としてお棺に納めました。ご希望のお品があれば打ち合わせの際にお気軽にご相談ください。
Q.東広島市西条で、宗教的な儀式なしの火葬式はできますか?
できます。あい直葬ホールはJR西条駅から北へ約三百メートルに位置し、無宗教の火葬式にも対応しています。お一人のご喪主様でも、ご家族の状況に合わせてご提案します。
アイフィットさいき葬祭 東広島・呉・三原の家族葬