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イナーシャ(慣性モーメント)

イナーシャとは何か?イナーシャとは物体の運動状態の変化を妨げる量で、回転体では回しにくさ、止まりにくさを示すものです。

一度動き出したものは、動き続けようとする慣性が働く。急には止まれないということ。そしていったん止まってしまったものは、再度動かそうとすると大変なエネルギーを要する。これがイナーシャです。言い換えたら外からの力の影響を受けず、そのままの状態にある性質です。

先日購入した書籍ですが、こちら。

元々自動車業界で多用される用語だけに、興味深いものがありました。車やバイクをどう加速させるか、どう停止させるか。レース(競争)なんかはまさにその戦いです。私はかつてオートバイのレースをしていました。多少は国際A級レーサーとして岡山国際サーキットをメイン場として戦いまして、SUZUKIのMotoGP開発ライダーとなった選手のタイムを塗り替え、公式コースレコードを樹立したこともありました。ほんの少しだけ分かったふりをさせていただけるとしたら、そのイナーシャを逆に利用する形で一線級の全日本選手権を戦っておりました。ほんの少しだけですが。でも転倒すれば骨折、最悪は死に至りますので本当に命がけの楽しいスポーツでした。

イナーシャ、これは企業経営についても言えますし世界の向かっている方向性もイナーシャが関わっているなあと思った読書の時間となりました。

現在、コロナで世界的なパンデミックのあったおかげで日本製二輪メーカーは世界的に大変苦戦し始めております。一昔前までは、世界中どこのレースでも日本製じゃなければ勝てない・・・時代でしたよ。何十年も世界チャンピオンは日本車でした。ところがパンデミック以降、ヨーロッパ車が常勝となりました。つまり日本車が勝てない日々が続き始めたのです。まさにパラダイムシフトが起こったんですね。パラダイムシフトとはその時代に当然と考えられていた物の見方や考え方が劇的に変化することでもあります。

勝負の世界はとんでもないエネルギーの投入が仕事であり、結果が全てでございますから、順位が悪くなれば(それが一度や二度ではなく日常的に悪くなると)これまで作りあげてきた車の開発の方向性を否定せざるを得ないことになるわけです。

悪かった順位が良くなるのであれば苦労も受け入れるかもしれませんが、良かったものが悪くなる場合は、誰も易々とは受け入れてはくれません。プライドをもって開発していたなら、ましてや・・・。

プライドは必要とも言いますが、かえってプライドが自分の限界を作るんではないか?という意見も出てくる始末です。

昔から地球上、強い種が生き残るのではなく環境の変化に対応した種が生き残るといわれてますよね。

いまヨーロッパメーカーの車は、風の抵抗を無くす開発をやめて、風の抵抗を利用すべく、あえてバイクに羽を付けた。あるいは、走行中にバイクの車高を変化させるなんて4輪車のやることであって2輪車のやることではない!という日本人の考え方を真っ向から否定し、徹底的に日本車の逆思考を追及しました。つまり、これまでの日本車にはなかった発想で駆け抜けた結果、急激に強くなり世界チャンピオンを獲るまでになりました。

それと「数は力」です。1%の利益でも100億円売れば1億円です。100円ショップダイソーの創業者の矢野さんの考え方の一つです。

葬祭業界でいえば、どんなに小さなお葬式でもしっかりと信用を得てご依頼を獲得していくことにほかなりません。

しかし利益が減少すると社員への還元も減ります。だから葬儀受注件数を伸ばして利益を上げていく他ありません。

そこで・・・の話ですが、ダイソーの矢野会長が遺されたお言葉の一つに

「恵まれない幸せ、恵まれる不幸せ」

がありますね。人は恵まれていない状況では、努力する。徳も積む。だから運気が上がる。逆に恵まれていると、慢心が起きたり、得られている今が当たり前となり、努力の量が落ちるから没落しますね。そういう意味だったのでしょうか。

もっと金持ちの資産家に生まれてたらなんて考えること自体が恵まれてる側であり、足らないものだらけだからヨカッタ!と思えば、人一倍努力するのが人間ですね。

昨日、そんな話を友人にしましたら、みんなは社長とは違うんだよ。長年、雇われて生きて来た側からしたら、幸せの意味が経営者の人たちとは違うのね。

例えば月給15万円ないパートのおじちゃんが「せっかくのお休みの日が晴天だった!」とか、「宮島に行ってみたらすごく綺麗な紅葉に出会えたんよ!」っていう幸せもあるのよ。お金がなくても小さな幸せを見つけられる幸せっていうのもあるんよってね。

それを聞いて自分も色々思うところがありますが、経営者ってのは、やっぱりどうは言っても誰よりもエネルギッシュに動き、考え、リードし、犠牲を払い、立ち向かってゆかねば、トップである理由がなくなってしまうのだ!とね。

考え方も育った環境もすべて違う。。。相容れることも絶対にないのかもしれない。

でも、だからこそいいのかもね?っとさ。

同じ釜の飯を食べる仲間として、それでいいのかも。みんな人格は違うんだもの。人間だもの。

イナーシャを意識して経営をしてみると、また一つ違う展開になるな~と感じた今日でした。

BY 社長

 

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