葬儀は基本的にインターネットブローカーに頼むものではない
当社は近年、インターネット紹介サイトの下請け契約をバッサリ捨てて、契約を解除しつつあります。何年か前は「どうにかお引き受けいただけませんか?」ということで引き受けたりもしていましたが、ネット葬儀のそもそもコンセプトに無理が、そして広告がむちゃくちゃな宣伝をしているので、当然、静かに去らせていただいております。
家族葬をしたくて小さなお葬式をネットで探していたら19万とでていたから、これは助かると思いとっさに頼んだらなんと家族葬と書かれているが単なる直葬(火葬のみで親族集まってちゃんと告別をしない)ものだった、そんなんなら派手じゃなくても、もう少し出して良かった。しかし訳がわからないからそのまま進めたら親戚から大ブーイング。そんな声をチラホラ聞き始めた。逆に19万と思って頼んだら希望と違うので普通な家族葬を頼んだら倍以上ぼったくられた!と言った方もおられる。そんな葬儀屋って、本人はぼったくったつもりは無いんだろうけど、そもそも一般葬と直葬を値段比較した説明も全くもっていただけない。誤解を産むに決まっている。そもそも景品表示法違反である。
しかし、今日こんなバナーが業者のSEO対策だろうか?出てきた。そこで納得した。
しかもスマホでgoogle検索してたら、求めてもいないのにこんな画像が。気になるから調べてしまいますよね~?
↑↑↑写真を見る限り、この祭壇で19万3千円ならかなり安いぞ!と私でも思うので調べてみたら、48万8千円のコースの写真でした。誤解を与える広告でもって、消費者が悪いとでも言うのですかね~?他にも似たような会社あるじゃないか!って開き直るのでしょうか?クレームが起こるのも致し方のないでしょうねえ。
お葬式をしたくない人のための葬儀、、、と書かれている。
え?葬式をしないのに、それを高いほうのコースの写真を見せておいて葬儀と言って欺いて商売しても合法なのでしょうか?ロジック的にどうなんでしょうね。私の頭が悪いので理解出来ないのです。飲食店だったら完全にアウトになる事例でしょうけどねえ。
ま、そうなんです。そういうことなんです。
そりゃそうか、そりゃそうだ。そういうことなんです。
でも何日か前の同じ日にお二家族から別々にご依頼を賜ったのですが、内容は火葬のみのお仕事でした。当社は以前から普通に引き受けさせていただいております。
また、89000円というプランも最近ですが承りました。逆に、珍しいタイプではありましたが、お棺とドライアイスと骨壷だけを買いに来られて、自分で火葬場に連れて行くという方をお手伝いとアドバイスもさせていただきました。
例えは正しいかどうかは別にしてですが、自分の大切な車は自分が一番よく知っているんだから自分の手で面倒を見るんだ!といったユーザー車検のようなとでも言いましょうか。ともあれ、そういう価値観の時代が来たということです。
そういえば、火葬プラスアルファ程度の15万円のお見積もりで承ったとき、うちの別館をお使いになられたんですが、予想だにしない80人もお別れに参ってくださったような告別式をさせていただいたこともあります。6年前でしたかね。何も用意しないという取り決めでしたが、お通夜はしなかったのですが皆さんがお参りになられお香典をお持ちになられたので、さすがに翌日は商売であることには目をつむって、会社には内緒でコッソリ少し大きめの花束を棺の上に置かせていただいたことがあります。こちらからわざわざ言うでもなくてこっそりしたわけですが、朝一番になって、「やっぱり皆さんが手を合わせに来てくれる。多少はちゃんとしてあげたいけど間に合うか?」と言われたのですが、1時間で加工の必要な遺影写真が作れるわけでもないので、ご丁重にお話させていただき、パソコンを使って綺麗では無いかもしれないですがーということで自作プリントしましたけどね。
きっとインターネットで提携している下請け業者さんなんかにはこのような対応は出来ないかもしれませんね。だってネット仲介手数料を取られるんですもんね。15%とか20%持っていかれるんですもんね。だから多くは「プランにありませんので」もしくは「それなら普通のを頼んでください」って断るんでしょうね。せちがない世の中になってしまいましたね。ま、うちも社員多いのでみんながみんなパソコン使えるわけでもありませんし、時間の都合もあるでしょうから難しい部分はあるのですが、気持ちの問題とでもいいましょうかね?会社にとっては良い社員ではなかったですが。そんな人間が今は社長です(⌒-⌒; )
さて、当社ですとやすらぎ会館の別館がそういう際の小さな告別式の場なんですが、駐車場は十分にありますし安心ですね?
昔から今は亡き先代から教わって来たことですが、お金がかけられない人こそ大切にしなさい!と。
生きている間はまして自分のお葬式なんかはしてくれなくてもいい!って方もおられますが、その中にはお金がかけられないのではなくて、お金をかけようという価値観がないだけの方も多いですね。でもそれでもいいと思っています。何かの拍子で(さきほどお話させていただいたような、親が亡くなった後に親を思う人たちに囲まれて)温かい気持ちに気付くこともあるのですからね?
命のバトン、親子のバトン、社会とのバトン、一家のバトン、あらゆるバトンを受け取ってくれたんなら私は良しとすればいいと思っています。
なぜこのようなお話をしたのかですって?
実は1月のお話ですが6年前にお世話させていただいたお客様から連絡が入りまして、今度は近所に住む伯父が亡くなったのだと。でも、「わし、以前さいき葬祭がええぐあいにしてくれたから今回もおたくを使うように言うてやったで!ちゃんとやってつかあさいや!」と。今回はやすらぎ会館本館をお使いになられ、結構な規模のお葬儀をお手伝いさせていただくご縁をいただきました。わからないものですね?
そこでお葬式ってものは、やはり何度もここに戻りますが、「深い悲しみの先にある確かな未来をお届けすること」こそ、我々の原点のような気がしています。
昔からある 小さな地場の葬儀屋が頑張って行かなきゃ、こうはならないのかなー?と再確認させていただいた本日でした。
※せっかく全葬連などの業界団体が一丸となって業界のイメージの健全化を図って来たのに、またインターネットブローカーのおかげさまで、葬儀業界がおかしなことになってしまいそうです。。。いつの時代も守られるべきは弱者(消費者)なんですけどねえ・・・。
合掌