灯明、人生一路
『妥協ダメ。もっと完成度を高めるんだ。もっと。いやいや、もっともっと。信念こそ当社の使命。これで良かったではなく、これがよかった!を追求する心。』
先日、悔しくも若くして志し半ばで急逝された方のご葬儀依頼を賜りました。事前からお問い合わせも多く、こちらとして緊張感も高まる。
我々のお仕事はとにかく時間との闘い。東京のように一週間後にお葬式を、、、なんて悠長な事は言えないのが東広島。そんな中、過去最高クラスの祭壇設営はあと5時間で本番を迎える時間にギリギリで生花祭壇のご準備は整った。しかしまだイス配置や大量の受付設備の準備は同時進行。
さて生花祭壇はうちのトップ2が主導し日をまたぎながらも補佐2名とともに手際よく生け
、本当に上手くいった。何とか時間に間に合わせ仕上げられて額に汗をしながら安堵の表情をしたものの
何かが足りない。
普通なら、、、どうだったんだろうかは分からないが、命をかけて命を教えてくれた故人様に対して中途半端な設営はありえますか?ないですよね。
、、、しばらく考えた後にある想いが降りてきました。
そうだ、光だ。それも優しい光だ。祭壇の中で優しそうに微笑んでおられる故人様に精一杯の優しい光を!
派手にする必要は無いといつも言いますが今回に限ってはいろんな意味で、そう、光。
そこで急遽、無理を承知で日頃から良いお付き合いをさせていただいている電設会社に電話を入れる!
、、、開式1時間半前に無事に工事は終わった。普通なら1日がかりの工事だった。
きっとご遺族様も、参列者の方々も知らないこと。そりゃそうです。そして優しい笑顔に輪をかけた優しさが加わりました。でも当社は命に対しては誰しもおぎゃあと生まれた大切な命として、そんな命だからこそ取り組む姿勢は変わりません。だからこその今です。
そして何百本を超えるお供え生花の配列もギリギリ終わった。
やがてお通夜は無事に開式を迎えました。大勢の方がお別れにお越しになられている中、会場の片隅で誰にも分からない事とは知っていつつも、この気持ちが故人様だけにはお伝え出来たかな、せめてもの私からの供養の気持ち、誠意、そして会場の外から御焼香をさせていただきました。分かってくれる人にだけ分かってもらえたらそれで十分です。
そしてご葬儀当日のこと、ご家族の皆様が祭壇を大変気に入ってくださり、初七日法要もこちらで行いたいとのお申し出を。もちろん快諾させていただきました。
葬祭業界で20年目、あらためて初心に戻らせていただいたような気がして、感謝しております。
お浄土でもご活躍され続けますように。
敬具
代表取締役 柚木力