全力で泣けること。全力で生きたということ。
先日、このお仕事をさせていただかなければなかなか出会わない瞬間に出会いました。
親元離れて暮らす息子様が入院中の父を見舞いに行った時の最後の会話
- 病室の扉をそっと開く。お父さまは横になってテレビをみておられました。 -
長男「父さん、体調どう?」
父「おお、来てくれたんか~。すまんの~、仕事大変だろう?遠いのに。」
長男「父さんそんなことないよ。近いもんだよ、大阪なんて。頑張って治そうね!?」
父「そうじゃの~。でも体のあちこちが痛いわい」
長男「・・・。そういえば家に寄ってから来たんじゃけど、庭の梅と椿の花がすごい綺麗に咲いとったよ!」
父「・・・・・。おまえもそういう気の利いたことが言えるようになったんじゃの~。早く家に帰りたいけど、いつになるかわからんわい。」
長男「・・・・・、なにいってんだよ、父さん。頑張ろうね!」
父「そうじゃね。頑張ってみるけんね。おまえも仕事、身体、無理したらダメぞ。」
こんな会話が聞こえて来そうな情景が思い浮かべられました。※長男様のご挨拶より
やがて闘病ののち、お父さまはお浄土へと旅立たれましたが
あの日、最後に交わしたあの会話。そしてご葬儀当日の朝、
庭先に咲いていた椿の枝を急きょ取りに帰られたご長男様。
ふとご長男様のほうに目線をやると
人目をはばかることなく天を見上げて精一杯泣いていらっしゃったご長男様。そして妹様。
お父様が好んでおられた品々をお棺にご一緒に焼かれる副葬品と共に
椿の枝が添えられました。
皆様全員が精一杯に泣きながら、しかし悲しみを超えた先にある愛情たっぷりの優しい笑顔で
最期の時間をお過ごしになられたご家族の皆様。そして参列された皆様も。
厳しくも愛情に満ちたお父様のために全力で泣ける息子様。そんな家族って本当に素敵な家族だと思います。
このお仕事をさせていただいて、いつも思うことがあります。
が、その内容はまたいつか・・・お話出来たらいいなと思います。
お仕事を超えた何かを感じ、たくさんの学びを頂いたご葬儀でありました。お亡くなりになられた故人様(お父様)に哀悼の意を表して。