もう嘘をつくのを止めてくれませんか?
葬儀のブームは5年周期です。葬儀にブームなんかあるの?と思われるかもしれませんが、結婚式の流れと合わせて話せばこういうことです。
1990年代後半5年間は、
ホール葬への流れのブーム
でした。とにかく、これからは自宅葬じゃなくてホールでやったほうが便利ですよ、手間がかかりませんよ・・・の時代。葬儀社の社長の99%が意識をしましたね。出来るだけい立地に葬儀場を作りましたし、作れなかった社長も建てようと狙って過ごしました。
2000年に入り起こったブームは
宗教離れ問題のブーム
でした。無宗教がいんじゃないか?ってですね。TVや浅知恵の評論家、はたまた学者さんがこれからは無宗教葬の時代が来ます!なんて言っちゃってましたね。他には宗教者へのお布施が高いのではないか?とか葬儀の時にしか登場しない宗教家とか。具体的な現象としては、ホテルでお別れ会ってのが出来ます、偲ぶ会ってのがあります、生前葬というものがあります・・・ということでホテル業界が葬儀に参入か?と、頻繁に言われたもんです。
幸いなことに、広島は、特に東広島はお布施が全国平均より低くて住み良い町です♪
そして2005年ごろから起こったブームは
家族葬ブーム
です。現在も継続中です。
実はこのブームってのはマスコミが仕掛けます。
しかし今回の家族葬については今までのブームと異なり、非常に大変なことになっています。
定義の誤認識の中で、マスコミが取り上げ続けました。理由は簡単です。宗教を敵に回した時は、宗教家がきちんと情報の訂正を行いました。そりゃあ自分が流布してきた人生を否定されるんですから、宗教家も黙っちゃいません。しかし、今回の家族葬ブームってものは、そもそも葬儀社側が望んで行ったものでも無ければ、消費者に何のメリットもないわけです。しかし、対象となる被告人が居ないものですから、別に消費者が望んだわけでも無く、マスコミによって広まりました。マスコミの罪は大きいです。
皆様よろしいでしょうか?
結婚式は仲人を立てず、人もあまり呼ばなくなりまして、ハウスウエディング(小さな会場で一軒貸し切りの結婚式)化されてきましたが
葬儀もそうなるだろうという安易な発想で、ハウスセレモニー化するだろうと言う事で、ビジネスになってまいりました。
しかし、結婚式というものは、所詮高々20年だか30年ほど生きただけの若者が、子孫を残す前に行うだけの発表会ですが、葬式ってのは、80年も生きて来られた方が行う「最後の晩餐」なわけです。
80年も生きてると、そりゃあもう沢山の方々と出会ってきております。たくさんの方を救ってきたでしょ。時にはたくさんの友人に助けられたでしょう。とにかく、雨風しのいで生きて来られたわけです。
それを、息子や孫が勝手に連絡入れる範囲を決めて、核家族化によって(親元は面倒だと言って地元を勝手に離れ)、我が親の親友や最近まで将棋を打っていた仲間の名前も知らないくせに、なるだけ人目につかせずに火葬しちゃおうという魂胆が、私には到底理解できません。さらに、そういう行為を少しでも正当化するために密葬とは言わず、家族葬ということでやわらかいオブラートに包んでしまうというエゴ。マスコミはそれを助長しています。
皆様は親や配偶者が最後に会いに来て欲しい友達をきちんと知ってますか?
逆に
あなたの親が亡くなった時に、手を合わせに行きたいって思う人が実際にはたくさん居る事をご存知ですか?
自分の親が痴呆老人になってしまったからと言って、みんなもそうなってるわけではないんですよ・・・。
逆に、元気なご老人がこんな風に元気を落とすかもしれません。それは
『また一人、誰からの連絡も無く、愛する友達があの世へ去って行った。俺もいい加減死にたいよ。息子夫婦は帰ってくる気配もないし、このまま寂しくさらに衰えて行くのを待つのみ。ああ、私も誰にも知られる事なく死んでいくのか・・・』と。
せっかく元気なお年寄りまで元気がなくなりますよ、、、こんな世の中ではね。
それに、『わしは呼ばれた!とか私は呼ばれなかった・・・』とかいうトラブルを避けるためにも
家族葬というもの【そもそも定義の無い虚像】を流行らせようとするマスコミにキック。
それにとても多いのがこんな安易な葬儀をつかさどる経営者さん。『家族葬ってTVに登場するぐらいになり、お客さんも家族葬は出来ないのか?と聞いてくる時代だから、うちも家族葬をやろう!』ということで、何ともまあ浅知恵で始める葬儀社さんね。
本当によく考えたら、人と人との縁を、我が息子の手によって切られるリスクもあるって事を告知したうえで進めなければならんはずでしょう。生命保険の契約だって、メリット以外にデメリットの告知をしてからじゃないと薦められないはずですよね。
デメリットを知らずに家族葬を行ってしまって、後悔した人の多い事多い事。うちは年間600件以上の葬儀を行い、そのうち家族葬的な葬儀が何割か占めていますが、それだけの件数をするから思う事です。この600件が多いのか少ないのかは別にしても、家族葬で喪主をされた方が【次に身内に何かあったらまた家族葬をしますか?】との問いに、普通の葬儀形態でやるでしょうね・・・という声が多いのも興味深いですよ。
少なくとも、親類やご近所との間に、きちんとした新たな関係作りを行い、変なしこりを残さないようにするためには、私は「普通の葬儀にされたらどうですかね~?」って答えますよ。なぜなら
葬式は結婚式と異なり招待状を出すような性質ではないから!
です。来たい人は来る、来たくない人は来ない!それが葬式ですからね。
来たかった人に知らせなかったら、怨まれますよ~・・・。なんで手を合わさせてくれなかったんだ!〇〇くん!!!なんて父の友人や遠い親戚に言われたらどうしよ~~~~。
考えただけでも怖い怖い。
そして、自分が死ぬ時も孤独に死んで行くのです。
そんな人生・・・私はご免だ。