当社流経営「脱&非マニュアルの世界」
葬祭業のお仕事は、失敗が許されないし、ごめんですまされない。
葬祭業に従事する人間は、儀礼や作法については、それが出来て当たり前です。
そのうえで、あの人の霊柩車の運転がプロっ!とか、あの人の立ち姿がプロっ!
司会がプロっ!という理由だけで、何十年先か数年先かわからないのに、リピート客が出来るということは
まずない!※事故が無いのが当たり前、きちんとした立ち姿で当たり前、読み間違いのない司会で当たり前!でしょ
むかし、癖のある工場務めからの転職新人が
「うちはうちじゃないですか~?だったら会社独自のマニュアルがないと覚えようにもわかりません。マニュアルをよこせ」
その方は仕事にミスは無い程度に育ちました。しかし、お客様から「態度が横柄だ。担当者を変えてくれ」といわれたりして、結局は他との社員との折り合い(交代制のお休みをいつも真っ先に土日祝を取る)もあって退職していった。
あるいは、変わったお仕事からの転職さんだったが、「自分には自分なりのやり方がある。だから社長は俺を信頼して任せて欲しい。いちいち口出ししないでほしい」とのことで、一任してはみたものの、やはり時々ではあるがお客様から「あんまりこちらの話を聞いてもらえなかった。この地域のやり方はこうやるのが普通だから、そうしてくださいというのですが、単に葬儀屋のエゴじゃないですか。ストレスなので担当者を変えてください」と言われたこともある。なのに時々「あの方が担当してくれて本当に良かった!親切にそこまでしてくれた」という言葉をいただくこともあった。しかし、本人の機嫌によって仕事の質が変わるようでは、会社としてはひじょうにまずい。結局は10年の歳月在籍させたものの、自分が社長か?というぐらいに自己流のやり方を続けるので、とうぜんだが私との折り合いが悪くなって退職していった。
さて、ここで当社の自信もって言える経営方針。あるいは社員教育理念。それは
マニュアルはいらない経営
いいかえたら
マニュアルに頼らない!であります。
さらに言い換えたら「葬祭業においてはマニュアルで出来る仕事なんかその程度のことでしかないこと」であります。
歌舞伎や大衆演劇という日本古来よりの何百年も続く文化的なお芝居をご存じですよね。
見て美しい、楽しい、感動する、涙もある。喜怒哀楽を表現するお芝居ですね。
※こちらの写真はせら温泉さまのブログよりお借りしました。ぜひ皆さんせら温泉へw
ご存じでしょうか?
実はセリフ台本がないのです。
多少のストーリーのメモはあったとしてもセリフ台本が無いのです。
すべて
言伝(ことづて)
で伝わってまいりました。
会場を沸かせ、お年寄りさん達を感動の渦、とりこにするシーンもすべて
アドリブなんです。当然、練習、稽古はありますよ?
しかし臨機応変にその地域のことを取り入れたセリフに変えたりしますよね?
相手によって工夫する。
最近TVなどで、ミシュランの星をとるような鮨屋で、何年も丁稚奉公で何もさせてもらえず見てるだけというのは必要なのか?という議論がありましたが
葬祭のお仕事というのは、飲食の世界とは違って、寿司の握り方や砂糖、塩、酢、醤油、ソースの調合、出汁の引き方に該当する項目はございませんで、
ただただ、相手の心を癒し、喉に詰まった言葉を引き出してあげ、そして多少のお導きをさせていただきながら、めったにないお葬式を無事にお手伝いするわけです。
だからマニュアルというよりは、言伝(ことづて)によって、たくさんの会話によって経験を伝えていき、やってみせたり、やらせてみせたり、しながら徐々に社風や社員の品格までも向上させていくものと感じております。
形だけ、格好だけ、髪型だけ、ビシっとするのは誰もでも出来ますよね?
はい、目の前の知らない方がガム?のゴミをポイ捨てしました!
同僚が担当の仕事をもってバタバタされている、しかし自分はフリー。
さああなたならどうしますか?
本当にそれが最適な答えでしょうか?
結局、社風や劇団の味ってのはトップが体を張って、時にぶつかりながら、背中に矢を受けながら、徐々に形になって、その意味が心底理解出来る人が作り上げていく。そう、ここは企業。義務教育のスクールではないのだ。
はい、本日のブログは御仕舞♫
大衆演劇はすごい!!!