理念は己から湧き出る最後の一滴まで同じ味
今日は珍しく本業以外のお話をさせて頂きたいな~って思います。
「協会ビジネス」という言葉をご存知でしょうか?
数年前からこの言葉をよく聞きます。
簡単に言えば〇〇協会をつくって、同志の会員を募ってセミナーやコンベンションを開催するものです。
言い換えたらこんな感じです↓↓↓
日本語で分かりやすく言うと協会ビジネスとは新・家元制度です。
ネットで引いただけで、天文学的数値、あまたの協会が出てきます。
公益社団法人もあれば、一般社団のほうが莫大に多い。
一般社団はだれでも作れますからね。公益社団法人はそう簡単には作れません。
取引先に「おたくも参加してみんか?」と言われる人、誘う人。スポンサーをさせられる企業。する企業。
メディアを使うのが上手い協会、下手な協会。
しかし大切なことはそんなことじゃない。
そもそも共感や理念を商売の糧にするその姿勢が間違ってる。
理念は頑張って描くものじゃない。描けない人が自営業をやってはならん。巻き込まれた社員がかわいそうなのだ。
溢れ出るエネルギーが言葉を超えていなかれば理念にはならない。しかし言葉にならないものを、言葉を借りて表現をする。これが理念である。もう一度いう。理念を自力で描けぬものは自営業をするべからず。
言葉に出来ないなら、、、背中で見せたらよし。
背中で見せたら、言葉以上に心を打つ。すると勝手に人がこう言いはじめる。
素晴らしいカラーですねと。
早稲田大学とか、慶応義塾大学とか、日本大学とか東京大学とか・・・それぞれにカラーがあるといわれているけど、
カラーって本人たちが決めたわけじゃないですよね。周りにいる人が言うコトバであって、俺はこういうカラーだからっていうものじゃない。最近、こっちから他人様にこのように見えてほしいという都合を理念でイメージアップに使おうとしていないかい?そういう意味だ。
そんなわけで、似たような理念が集まったら、重要な個性とか本人らしさが、どこに行った?になる。すると、なぜ誰がいつどこで何をどのようにするのかが分からなくなる。理念という尊いはずのものが、単なる共通ワードとなり、コミュニティの仲介をするために必要なものになってしまうだけである。
模倣は、自分の言葉じゃないから、人の心を打たない。
同志と思って参加したら会費要員の餌食になっていたなんて話はよくある話。
そんなときはだいたい「ご縁を頂きました」というコトバで消費されてしまう。
俺はいつもこういってあげたい。
「主役はおまえだ。いつまでも他人様を追いかけても、一生その人にはなれないぜ?」。「時代を変えたほどの人間の中で、上手して生きたやつはいない。常に苦しんでいた。常に自分と対峙していただろう?」
「かっこつける前に、かっこ悪く生きるだけの覚悟を持てよ。それをかっこいいっていうかもな」、「コトバは所詮コトバ。心に響く体験を語ってみろよ。命かけて真剣にやってみろよ」っていってあげたい。
ようは自分次第。今の時代は、似た者同士が集まりやすい時代。仲良しコミュニティを作りたがる時代。
しかし自分自身が成長するする瞬間というのは、似ていない者同士と現実世界でどう対峙から共生するか?である。
そして、昔から本当に価値がある協会(家元)は、自己PRをしなくても同志が集まってくる。
私事ではあるが、本年1月に茶道のあまりに有名すぎる家元の「上田宗箇流(うえだそうこりゅう)」で初釜をいただいた。
広島の財界、経済界、政界、行政、そしてそもそも何かを志す方々が一同集まる和風堂である。当然、ここを訪れない偉い人もそれ以上におられるわけですけどね。さて上田宗箇流では武家茶道であるため、茶器を取り扱う時に用いるふくさ(帛紗)は通常の左腰ではなくて右腰にはさむ。理由を調べると、左腰は刀側だからだそうだ。面白い。
もともと私の実家が先祖代々茶道裏千家の稽古場なので、興味があった。
さて和風堂は何百年も前から続くだけあって、厳粛な雰囲気の中で行われた。あまりに本物に触れた驚きと感動で、
私はそれで十分だった。ただ、味自体は、抹茶であるからして、母の立てた抹茶も負けず十分に美味い。
似た者同士、同じ貉(むじな)で集まっていないのが、本来の成長する協会の姿である。
痛み無くして成長なし。
運動した次の日に筋肉痛になるのは筋肉が進化している証であるのと同じようにね。
理念は己から湧き出る最後の一滴まで同じ味。その味とは意味である。
己の中の信念は、寝ても覚めても、そして死ぬ時まで、何ら変わらないという意味です。
よって人さまから感化されたり、まして頂いて、信じてついていくものでも、迷うものでもない。
自分らしく苦しんで、自社らしく取り組む。
笑顔はその先に必ずある。
人らしく苦しんだら、苦しめられているのと変わらない。
どうせ苦しむなら、自分をいじめて苦しめ。自己責任で。
しかし、まず足元をみようじゃないか。近くを見ようじゃないか。
村には、まちには、別にな~~んにも迷わず、粛々と自分らしい仕事ぶりで評価されている人、沢山いる。
お金は無いけど人望がある人、お金も人望もないけどいつも輝いてる人、沢山いる。
しかし、世の中にはすごい数の協会ビジネスがある。どんだけ「俺が新!家元!」やねん。